
【ぶらんこ】
1767年 ジャン=オノレ・フラゴナール作 81×65cm
ロンドン ウォーレス・コレクション
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| この絵を注文したサン=ジュリアン男爵は典型的なロココ精神の持ち主であろう。 自分の愛人をぶらんこに乗せ、愛人の脚がよく見える位置に自分を描いて欲しいと注文する。しかも、ぶらんこを揺らすのは司教にしてほしいとの事。カトリックに対する攻撃と思われる事を避けようとしたのか、司教より夫を登場させる方が面白いと感じたのか、フラゴナールは司教の代わりに女性の夫にぶらんこを揺すらせることにした。 ノリのいいフラゴナールは、石造のキューピットにも感情を持たせている。どうしていいかわからず戸惑う二人のキューピットと、「そんなに動揺していると、彼女の夫にばれちゃうじゃないか。」といわんばかりに仲間に「シーッ」と静かにさせているかのような共犯者キューピット。 妻が喜ぶように頑張ってぶらんこを揺すれば揺するほど、スカートの中が良く見え、愛人が喜ぶというなんとも滑稽な作品である。 しかし、緑の中にぱっと華やかに浮き立つピンクのドレスは蝶のように可憐に舞い、色彩的に大変美しい。 男爵は初め、歴史画家のドワイアンにこの作品を依頼したが、あまりの破廉恥な注文に断られ、フラゴナールにこの仕事が回ってきたのだ。しかし、女性の靴が脱げて宙を飛ぶというアイデアはドワイアンのものだというから、根っからの堅物でもなさそうな気がするのだが…。 |